緑のコトノハ

いつか人間になるかもしれません。ならないかもしれません。

2022/10/12

7時半に起きた。寒くなってきて布団から出るのが億劫になっている。無印良品で前に買っておいたかぼちゃのバームクーヘンと婚約者が濃い目に淹れてくれた珈琲をカフェオレにして朝食をとる。引っ越してきて2週間程になるのかな、荷物が殆どその時のまま。生活の為に働いているのに、その生活がおざなりになっている現状を見るのが嫌だ。大体の人間はそれでも薄給の為に毎日通勤し、それに耐え得る大義名分をいざという時に出せるよう、胸の奥に用意しておく。ばっかじゃないの、と思いながら私も1年以上薄給で興味関心のない会社に勤めている。

最近はひっきりなしにやる事があるので、労働中暇になる瞬間が無い。興味関心のある業界で働いていたら、空き時間は少しでも勉強しよう、とか思うのだろうか。

家からお昼用に持って来たベーグルとかぼちゃのスープは、どちらも美味しくなかった。エーリッヒ・フロム著『愛するということ』を読み始める。私がたった今最も読むべき本だと思う。

数日前、妊娠検査薬で薄くではあるが陽性反応が出た。日にちを空けて確かめるように再度検査をして、また陽性反応が出た。でも今私は生理中で、起こっている事がまだよく分からない。事実が自分に馴染んでこない。その生理がやってきた満月から調子が良くなく、意味のある事ばかりが優先される世界に、あとどれだけ身を置いておけるのか不安になる。気温が下がって気も低迷しているのだと思う。

ドラッグストアで買い物をして帰宅。化粧品類と、緑色の野菜と林檎とバナナとキウイを買った。

坦々麺食べたいって言ってたな、と思い出して、野菜を炒め始める。あとは麺を茹でるだけの状態にしてから、休憩しようと紅茶を淹れて座った途端に婚約者から帰宅の連絡がきた。

私の顔を見て嬉しそうな表情を浮かべる婚約者を見ると、これで良かった、と思えて心底安心する。『silent』の見逃し配信を一緒に観ながら夕食をとる。お腹が膨れないと言っていると、婚約者がポップコーンを作ってくれた。落花生と一緒に摘み、お風呂を張ってもらって、先に入らせてもらう。今日は1人で入りたい、と言った。

想定外の月経がやってきた日、Iと車ですれ違った。婚約者にはすぐ伝えた。婚約者を想う、それとは全く別の世界線で私はIを想い続けるだろうと思う。一緒になりたいなどとは思わないし、それどころか再会したいともまた話したいとも思わない。時間と共にIを忘れ、婚約者を一筋に見つめられれば楽だろうとは思うけれど、私には今それができないのだと分かるし、今後できるのかは分からない。前回Iを見かけた時は隣に女性を乗せていたけれど、今回は1人だった、と思う。

お風呂から上がると、母から貰ったさつま芋で婚約者がスイートポテトを焼いてくれていた。一緒に沖縄旅行の予定を立て、お風呂から上がった婚約者とセックスをした。予想外の月経がやってきて、Iを見かけた満月の日から、セックスをするのが少し苦しい。子、不妊、流産、という文字が頭をかすめる。快感を目的とした行為にも後ろめたさを感じるようになった気がする。少し心身を休める為にセックスも控えるべきだと分かるのに、それも怖くてできない。日が変わった頃に眠りについた。