緑のコトノハ

いつか人間になるかもしれません。ならないかもしれません。

2022/04/30

一時頃、目が開く。彼には三十分後に起こす、と伝えていたのに三時間以上経っている。

回した洗濯機も既に止まっていて、コインランドリーへ行きたかったので、申し訳なさがありつつも彼を起こした。頭痛は引いたようで安心した。

誰もいないコインランドリーで乾燥機にかける。その間、こんなの置いてあったよ、と彼が持って来たスケベ雑誌を真剣に捲っていた。彼はオレンジページを捲って「うまそ~」などと唸っていた。完全に逆。アラーキーを知らない彼に、知らないんだ、となった。

彼の家に帰り、お風呂に入ってない彼と抱き合った後眠りに就いた。行為中は何故か、小さな頃良く遊んでいた友人のTちゃんと遊び場であったホテル(Tちゃんの父は支配人、母は若女将だった)の光景が脳を支配していた。

八時過ぎ起床。きっと朝も身体を重ねた、はず。分からない。

今日はお互いそれぞれの友人と出かける日。Rが昨夜グループトークで指定していた集合時間が早く、急いで身支度を整えた。彼は時間があるようで、歯を磨きながらせかせか動き回る自分に付いて、「動く専属スタイリスト」とか言いながら髪を梳かしてくれた。

十時に自宅へ着くように彼の家を出た。楽しんでね~と言うと気を付けてね~と返ってきた。

自宅で髪をまとめ、はたきを掛けて床を掃除した。花瓶の水替えもした。カスミソウは長持ちしてくれているし、桐の枝木は蕾のまま楽しむものだと思っていたら、つぼみが開いてきているものがあり、新芽まで吹き出ていた。嬉しすぎる。

十時半過ぎ、待ち合わせ場所の自宅近くの駐車場でRと合流した。Rの車に乗り込み、しばらく話しているとYちゃんも着いた。新卒で入った職場の同期三人。同性、同年齢の同期はこの三人だけだったので、急速に仲が深まって以降頻繁に遊んでいたが、感染症の件もあってか一年以上振りの再会になってしまった。

そのままRの車でランチのお店へ向かう道すがら、会えないでいた期間中の一大イベントをそれぞれ話した。Rは入籍したこと、Yちゃんは仕事を辞めて訓練校に通っていること、自分は色々あるのに一つ選ばなければ!となって何故かコロナに罹ったことを話した。

山の麓にあり、綺麗な空気が吸えそうな予約不可のお店。小洒落ていて(というよりは波動が高そうで)気にはなっていたが、屋号が自分の苗字と同じなので何となく避けていた。

混み合う寸前に滑り込めて、しかも窓際の見晴らしが良い席に着くことができた。迷った末にチキン南蛮定食を選んだ。Rが注文したハンバーグ定食も、種類が豊富なおにぎり定食も、かなり美味しそうだった。話しながら食べる、というよりは食べながら話す。自身も悩んでいるらしいRの肌荒れが心配になるほど酷くて、妊娠によるホルモンバランスの乱れではないかと一瞬思った。可能性は無くもないけれど、といった様子で、そこからは妊活だとか子供だとかの話になる。流れで自分にお付き合いしている人がいる、と話した。Rは知っているけれど、Yちゃんには初めて話した。

女三人寄れば姦しい、とは言い得て妙で、まだまだ話し足りない。混み合うお店をあとにして珈琲屋へ向かった。移動途中、ふと外を見やると彼の車とすれ違ったのが分かり、すぐに電話をして「君は今○号線を走っている!!!」と言うと、「え?!?!見られている!?!?!?」と焦っていてウケた。自分が備えているやも知れぬ神通力の前では何人も浮気などできないなぁと思う。

自家焙煎の珈琲屋もずっと気になっていたお店。少し肌寒いのにアイスカフェオレを注文した。Yちゃんは「珈琲しかないの知らなくて、珈琲苦手なのに、、」と言っていて、申し訳ないような気持ちになる。珈琲は美味しかったが三人とも甘味を欲していた。

そのまま小一時間話し、彼用に豆を買って店を出た。ケーキを買ってRの家でお茶のし直しを決行する。

Rの家の近くの、これまた気になっていた洋菓子店へ行く。この後食べる用の苺のムース、彼と食べる用のシュークリーム二つ、彼が好きなチーズケーキを買った。ランチにせよ、珈琲屋にせよ、洋菓子店にせよ、彼用に土産を買ったり、次回は彼と、と思ったりしている自分がいることに気付く。自分の中における彼の存在感を自覚することが出来た、流石に。大切な人が居るというのは、こんなにも温かく、且つ、壊してしまいそうで危なっかしいことなのだと思い出す。

片付けをする、というRを少しだけ車内で待ち、家に上がらせてもらった。R家にはOちゃん(旦那様)も居て、久しぶりだね~と皆で言い合う。

ローテーブルを出してもらい、リビングでケーキを食べながら暫し雑談を楽しんだ。お泊り会をしようだとか、キャンプへ行こうだとか、ガラス体験しようだとか、予定を沢山作った。そうでもしないと、次回会うまでにまた期間が空いてしまう。能動的な人間が皆無のため。

十八時頃、Oちゃんの運転する車で、朝集合した場所まで送ってもらって別れた。歩いて自宅に一旦帰り、彼が迎えに来てくれるのを準備して待つ。

彼が到着し、互いの行先で互いの為に買ってきた物を披露し合い、日中の出来事を話し合った。彼が自車にガラコを塗ってくれた後、彼の家へ移動した。

夕食は昨夜の残り物を食べ、お酒を飲んだり、身体を交えたり、シャワーを浴びて、買ってきたケーキとシュークリームを食べたりした。途中寝落ちたりもしたはず。

何時に寝たかも分からない。