緑のコトノハ

いつか人間になるかもしれません。ならないかもしれません。

2022/04/03

八時頃だったか、目を覚ますと喉の痛みが強くなっている。耳まで痛い、その他の器官の症状も酷くなっていた。彼と寝具を出てキッチンへ行く。

自分は食欲がなく、でも薬を飲みたいのでミロとバナナと牛乳をミキサーにかけてスムージーを作った。彼は生卵と納豆を混ぜてご飯にかけたものを母に用意してもらって食べていた。スムージーを一口飲むと、喉が焼けるように痛むので諦め、バニラヨーグルトにしたけれど、それも一口で諦めた。喉が痛すぎる。結局マヌカハニーを一匙、苦労して舐めた。

食卓の椅子に座っているのもやっとだったので、引越しや予約していたランチ等、今日の予定はほぼ諦め、必要最低限の事だけにしよう、となる。居間の炬燵に横になり、しばらく眠らせてもらう。時々彼や、彼に遊んでもらっていた姪がやって来ては看病してくれた。彼が熱冷ましのシートをおでこに貼り、姪がもう冷えていない保冷剤を頬にくっつけてくれる。熱は三十七度二分ほど。

十時半頃、時間だけど、と彼に起こされて身体を起こしてもらう。彼の後輩Tと我が妹の仲人をしに行かねばならない。パートナーを欲していた二人を一度会わせてみよう、とお節介を言い出したのは自分なのに、その場に自分が居ないのではあまりに無責任。洋服に着替えた後、髪だけを梳かしてまとめ、彼の運転する自車に乗り込む。彼は何も伝えていないのに、残りの荷物を車に運んでくれたりした。

十一時半頃、待ち合わせの新居近くの駐車場に着く。妹、彼の後輩Tも遅れて到着し車から降りて来たので、自分も降りる。冷却シートを額に貼り付けたままの自分の姿を指して、彼がTにご覧の通り〜〜、と自分達の予約していた店へ、代わりに二人で行ってもらいたい旨を説明する。Tは話に聞いていた通りの可愛いほわほわした雰囲気を纏う男性で、好青年だった。自分も力を振り絞って、「初めまして、こちらが妹です。まぁ気軽に、仲良くなれたらいいね程度ででも。こんな姿ですみません」とTに話す。予約時間も迫っているし、と、Tの格好良い白のスポーツカーに妹が乗り込み、駐車場から出て行くのを手を振って見送る。似たような空気感の二人だったから、本当に上手く運ぶと良いよなぁ、と思った。

自分と彼は新居へ移動した。荷物を運び込んだ後、彼はお腹すいたと言って近所の唐揚げ店に買い物へ出た。自分はお米を炊いてお粥を作る準備をし、カトラリーなどを洗っていた。

戻ってきた彼はお粥用の出汁や卵、喉にいいと思って、とレモネードやゼリーまで買って来てくれていた。彼には普通の白米を洗ったばかりの新品の茶碗に盛り、自分には作った卵粥を盛った。彼の美味しそうな唐揚げの匂いを嗅ぎながら卵粥を食べる。全ては食べきれずに彼に食べてもらった。

食後、二人共眠くなってしまい、本類を棚に片したら一度昼寝しよう!となる。

本棚が整った後、段ボールをまとめ、まだ寝る場所のない新居をあとにする。途中ダイソーに寄ってキッチン周りの使い勝手を良くするアイテムを買い足した。彼も頭痛がしてきた、と言っていて風邪をうつしてしまったかもしれない、と心配になる。

彼の家に着き、すぐに寝室へ行って眠る。二時間程眠って起きると十八時半を回っている。彼は回復したと言っていた。職場の同僚のMさんから冷蔵庫を引き取る約束をしていたので、返せていなかった連絡に返すと、まだ時間がありそうで彼とセックスをした。

二十時頃彼の家を出て、教えてもらっていたMさんのアパートに向かう。Googleマップの指す場所に着いてもよく分からなかったので、結局Mさんに通話しながら教えてもらい漸く着くことができた。Mさんの旦那さんは縦には大分、横には少し大きな男性。一人暮らしサイズの冷蔵庫をフンッと両手で持ち上げて、ベランダの柵を越えて駐車場まで持ち出せるような力の持ち主だった。頭脳派を想像していたら、関西弁のガテン系にいそうな方で少しびっくりした。彼の出る幕は殆どなく、Mさんの旦那さん、Mさんが夫婦漫才の様に終始よく喋るので、自分と彼は軽く圧倒されていた。Mさんに自分の声を心配され、大丈夫ではないが大丈夫ですと伝え、お礼も伝えてMさん宅をあとにする。

車に乗り込んだ瞬間、空気の流れる速度が通常時の安心するものに戻るのを感じた。それぞれのカップルに漂う雰囲気の個体差を感じる時間だった。そのまま冷蔵庫を新居まで運び込み、ダイソーで買ったものをキッチン周りに早速使い、時間も遅いのですぐに実家へと帰る。

二十一時を回った頃帰宅。母がお粥を作ってくれて、そこへ明太子を入れて食べた。彼は焼き魚や焼そばを食べていた。お風呂から上がってきた妹に、今日の初デートはどうだった?と聞くと、Tに好感を持ったようなことを言っていて、よかったなぁ、となる。

二十二時を回ったので、明日も仕事だし、と彼を帰す。二日間の感謝を伝えても伝えきれないけれど伝えた。お風呂を済ませて二十三時過ぎには寝てしまった。