緑のコトノハ

いつか人間になるかもしれません。ならないかもしれません。

2022/03/26

零時、ミーティングを終えてお風呂を済ませた彼に起こされる。寝室に移動し、続けて二度セックスをしてから、少しだけ寝かせて、と告げて寝た。

五時頃に目が覚めて、点けっぱなしの照明を消して歯磨きをする。彼は眠いと言って起きてこなかった。水を持って寝室に戻ると、「少し頂戴」と言われる、起きていたようだった。再度ベッドに潜り込んで眠った。

起きると八時頃だったと思う。朝からも一度ほど交わったんじゃないかな、記憶が朧気。二人とも空腹で、朝食を作ることにする。フレンチトースト、ベーコン、クッキーを食べる。準備している間、ボイスレコーダーを回して朝の会話を録っておいた。聴き直して面白かったら流そうかなぁ、とか思っている。

簡単に身支度をして彼の家を出る。洗濯物を乾燥機にかけて、その間にミスドへ行く。辻利コラボが気になっていて、家へのお土産も兼ねて大量にドーナツを買う。三千円弱も使ってしまったけれど、ミスドは「いいことあるぞ~」なので良いことあるし、良い。あと、喉が渇いたので林檎ジュースも買って飲んだ。ミスドの林檎ジュースはまじで美味しいから、皆飲んだ方が良いのになぁと常々思っている。洗濯物を回収しに行き、家へと向かった。夜中からの暴風が酷くなっている。

家に着くと13時頃だった。母にミスドを渡し、時間が無いのでさっさと引っ越しの荷造りを始める。長女がくれた段ボールを組み立て、先週末に分別した洋服を更に分けていく。身体は一つしかないのに洋服が多すぎる。新居は収納に限りがあるし、よく考えれば着る服は決まっている、こんなに必要ではない。メンズものは全て彼にあげてしまい、その他の不要なものは姉妹に譲る為に纏めておいた。

十五時半頃にミスド休憩を挟む。自分はミルクティーを、彼には珈琲を淹れてドーナツを食べる。新作の抹茶のやつはあまり好きではなくて、映画鑑賞をしていた両親にあげてしまった。ハニーチュロに限る。

休憩後は物置に眠っている物たちの中から、使えそうな食器や鍋類を物色する。漆塗りの箸やお椀、今治タオル、焼き物の器等をもらうことにする。良いものがあるのに使わず眠らせておくのは、こうやって娘に持たせる為だ、と母は言っていた。物色中にやって来た次女家族と少し喋り、洋服や化粧品等泊まる準備をして彼の家へと戻る。

十九時前に彼の家に着き、急いでお風呂に入る。湯に浸かる暇はないので、二人共シャワーで済ませた。肌の保湿をし、髪を粗方乾かして、再度彼の家を出る。

『THE BATMAN』をレイトショーで観に行く。自分の観たい映画に彼がついて来て一緒に観ることはあったが、逆は無かった。彼には映画友達のグループがあって、そこで観に行っていたようだったし、彼の好きなマーベルやDC映画にはあまり興味が無かったこともある。でも、逆も然りで此方の趣味である、のらくら邦画は彼の趣味ではない。それでも、「自分じゃ選ばないから観れて嬉しいし、観てみると面白いね」と言ってくれる彼にお返ししたい気持ち、『THE BATMAN』は『JOKER』と関連のある話、と彼から聞いて興味がわいたこともあり、今回は一緒について行くことにした。

移動する車内で彼が木材店に勤める後輩と電話するのを聞く。明日、その後輩に口をきいてもらって、彼が作ってくれる新居のベッド用の木材を分けて貰いに行くらしい。有難いが過ぎる。京都の人らしく、「ただ倉庫の奥で腐るの待つだけの木に第二の人生歩ませたってください」と、関西弁の面白そうな人だった。

映画館に着いてチケットを発券した後、飲み物だけ買い、トイレを済ませて席に着く。二十時半頃から、三時間程の映画だった。三時間の映画はマジで長い。何でもいいから九十分で纏めてくれ、と思う。許容範囲を余裕で超えてきてびっくりした。そんなことはどうでもよくて、とにかく感想は、改装で導入されたドルビーアトモスとかいう凄い音響設備のおかげで怖いが過ぎたし、ロバート・パティンソンが格好良かったし、夜は寝た方が良いよね~、と思った。真面目に言うならば、サイコパスと天才の差とは、善悪とは、ということを考えたりしたし、この世で悪と言われる存在達もただ寂しくて不安で仕方ないだけなのだな、と思ったりもした。皆纏めて此処へおいでよ、手握るからさ、とか思う。あとは、三時間も恐怖と不安に晒され続けたら本能的に生命の危機を感じて子孫を残したくなったのか、涙が出てきて、彼と今日セックスしたら子を授かりそうだな、と強く感じた。

本当に怖くてトイレにも行けずに彼の家へ帰る。映画の話をしたりしていて、「何てものを観せてしまってるんだと思った」と彼は言っていた。家に着いてすぐ、トイレのドアを開けたまま彼に近くに居てもらって用を足す。パジャマに着替え、歯磨きをして寝室へ行く。男の子の赤ちゃんが上から此方を覗いていて、自分の腹に宿りたがっているような気配を感じたが、そんな時に限って彼は「半分寝てるから動けない...」と言うので、ふむ、と流れを感じ取って、自分も眠ることにした。