緑のコトノハ

いつか人間になるかもしれません。ならないかもしれません。

2022/02/20

彼の声で目を覚ます。友人と通話しているらしい、と思い、笑って話す彼をボーっと眺めていると、起きた自分に気付いた彼がベッドの中に入ってきた。そのことに安心してまた寝てしまった。

次に目を開けると朝。7時。ショーツ1枚だけ身に着けて寝ている自分に気付き、???となる。隣で起きた彼に訊くと夜中のことを話してくれた。友人からコストコのおつかいを頼まれる通話を終えた後、彼は自分の歯を磨いたらしい。トイレ、と言う自分を介抱してトイレまでさせ、生理がくるかもしれないということも思い出して、ショーツだけ履かせた、と。洗濯物はもう取ってきたよという彼に、自分は「好き」とだけ言ってまたすぐに気絶したらしく、何も覚えていないことが怖くなった。

話した後、覚えていないなら、と彼がセックスへと自分をたきつける。数日間あまり寝ていないはずなのに彼は元気だ。事後、今日も1日運転をする彼が心配で少し寝てて、と伝えて自分は朝風呂をしに大浴場へ行った。

8時半頃部屋に戻ってスキンケアをしていると、彼も目を覚まして部屋のシャワーを浴び始めた。9時前にはお互い身支度が整ったので、近くの喫茶店へモーニングに行くことになった。

栄の地下街にあるコンパルに決めて向かう。シャッターが下りていて人も疎らな地下街を見るのは初めてだった。記憶を頼りに懐かしい道を歩いて行くとすぐに到着した。

極端に短い靴下を履いてがに股で元気に働く店員。中国系の肌がきれいな片言の日本語を話す店員。入ってきて何も見ずにそらで注文し、席について宙を見つめる老齢の男性客。目も覚めるような鮮やかな紫を唇に塗って、珈琲を啜りながらガラケーに向かって何かを打ち続けるマダムのような女性客。小説の場面描写の其れだ、と思い立ち、常時携帯しているボイスレコーダーを回しておいた。モーニングセットと、ミックスジュース、小倉トーストを注文した。

頼んだものが届くと予想以上に美味しそうで嬉しくなった。ローカルを感じられて、コメダとかにしなくて良かったね、と話す。店内調理してるのだろうという味。気に入ってしまった。

10時過ぎにホテルへと戻り、歯磨きをして荷物をまとめてチェックアウトする。部屋もお風呂も価格も大満足のホテルだった。

駐車場に車を取りに行き、THANNとZARA HOMEを見たいので名古屋駅へ車で移動する。あてにならないどころか要らないナビゲートをする自分にキレず、慣れない都市で冷静に運転する彼には感謝しかない。

駐車場に無事停めてググってみると名駅近くにあったはずのZARA HOMEが無い。ならば、と調べるとTHANNも無い。どちらも無くなったらしい。意気消沈していても仕方がないのでせっかくだから、とお土産とゲートタワーモールを見ることにした。

といっても必要なものを爆買いしているだけで物欲があるわけではない。全てが余剰品に見える。中川政七商店の滞在時間だけが異様に長かった。THEの商品を沢山取り扱っていて、余裕が出来たら1つずつ揃えようと思った。彼もTHEのデザインを気に入っていた。ゲートタワーを出る前に名古屋に向かう間に話題に挙げたビュリーへ立ち寄る。彼が歯磨き粉を気になっていたので、自分も一緒に気になっていたボディオイルを試させてもらう。好きな香りがあっていいな、と思ったが必要ではないので、今使ってるものが無くなってからにします、と伝えるとサンプルをくれた。彼はミントと胡瓜の香りがする歯磨き粉をえらく気に入ったようで、カスタムでスタンドまで付けて購入していた。ビュリーの接客はプロ中のプロだからいつも感動してしまう。

店を出て、駅内のお土産屋を見る。自分は何も買わず、彼は手羽先を買っていた。もうコストコ行こ、と駐車場へ戻る。13時頃になっていた。帰り道の間にあるコストコへと移動中、昨日買ったみたらし団子を車内で食べた。美味しかったけれど、SA以外だと何処で買えるのだろう。

14時前、コストコに到着する。ほぼ満車の駐車場。いつも行っている店舗とは違う大きさ、人と車の多さに驚く。

お互いに疲れが出て来ていたこともあって、自分達にしては割に早く買い物を終えられた気がする。調味料や、ノンオイルフライヤーを彼が半分出してくれると言うので、一緒に色々と買った。おつかい分も合わせるとお会計はまた3万を超えた。

16時頃コストコを出て高速に乗り、養老SAに寄る。昼兼夕食に味噌カツを食べようとなっていた。東海地方から離れ過ぎなければあるだろう、との予想通りSA内レストランで見つけることが出来た。味噌カツ定食と八丁味噌担々麺を注文する。割と広いレストランに客は自分達だけだった。

シェアして食べるには感染防止パネルが邪魔で、並んで座って食べる。空腹だったらしい彼の食べるスピードが速い。どちらも価格の割に美味しかった。

食後、今日が祖母の誕生日だったことを思い出す。行きの養老SAで祖母の好きそうな佃煮があったのでそれをプレゼントしようと見に行くも、反対側のSAには見当たらなかった。昨日盛り上がった2人とも好きなまる天のじゃがバター天はあったので、1つ買って半分ずつ食べることにした。彼のエナジードリンクも一緒に買ってSAを後にする。

地元に近づくにつれて雪が酷くなる。前が見えず、速度も50kmに制限されていたので、高速の意味があまりなく、早めに降りて下道で帰ることにした。

彼の家に着くと19時半を過ぎていた。そこから2日間の購入品を一度部屋まで運び込む。大量の物たちを運び終えると、達成感が溢れてくる。彼とハイタッチした。最後の力を振り絞って、各々のものが一緒くたになっているのを仕分けしたり、折半して買ったものを分けたりした。お互い明日は仕事で、帰ってからまだすべきことがあるので、すぐに荷物を車へ運んで帰ることにする。

彼の家から自宅までの道、金曜からずっと一緒に居たからか、寂しさを感じている自分に気付く。と同時に、同じくらいの強さで1人の安心も確かに感じていた。私生活での感情の変化が苦手だ。

21時過ぎ帰宅。居間にいる父に荷下ろしを手伝ってもらった。廊下には不在の間に届いていた椅子が2脚ある。運び込んだ荷物たちと椅子を見て、準備が着々と進んでいるなぁと実感した。

帰宅して気が緩んだのか、気分と体調が急激に悪くなってくる。妹からも顔色が悪い、と言われたので、お風呂を済ませ、ハーブティーを飲んで寝てしまった。