緑のコトノハ

いつか人間になるかもしれません。ならないかもしれません。

2022/02/06

いつも通り彼が先に洗髪など済ませ、その後に自分が洗う。先に上がってもいいよ?と言うと、彼はじゃあ先に上がって明日の朝食仕込んでおくね、と言って出て行った。自分が洗っている間はいつも彼の視界が創りだす視えない籠の中に居る、ずっと。絶えず視線が降り注がれている。それは暖かいのだけれど、白夜では頭と体がおかしくなってしまう。その籠から解放され、昏い独りの安心と幸福を思い出すと何とも嬉しい気持ちになった。自由とは孤独なのかもしれない。何事も、緩急を要する。

お風呂上がり、ショーツだけ身に着けてキッチンに立つ彼の元へ行き、上の肌着の替えを忘れたと伝えると、彼がヒートテックをかしてくれた。ちょうどバッドの中のベーグルをフレンチトーストの卵液で浸していた。食べかけのものや皿などは片付けられている。歯磨きをして、カーテンを開けて外を見ると雪が降っていたので彼を呼んで一緒に雪を眺める。

ちゃんとアラームをOFFにしたか確認し、寝室へ。セックスをしてから就寝。時計は見なかったけれど、2時頃だったと彼は言っていた。

起きると10時を過ぎている。朝のセックスは記憶に残らない。どうしてだか分からないけれど。

11時頃にやっとベッドを出てキッチンへ行き、ブランチを準備する。ベーグルのフレンチトースト(?)、ヨーグルト、サラダ、ミックスナッツ。白桃の100%ジュースも。彼はお腹が満たされないようで、全て平らげた後、冷蔵庫から先日のお菓子やチーズケーキを出してきて皿に盛ってくれた。

MacBookで動画を見たり、いろんな話をしたりしながら、だらだらと寛いでいたら13時頃になってしまう。本当は家から出ない予定だったけれど、急遽、昨日行かなかった健康食品店に今日行こう!となる。ほぼほぼ自分の我儘を聞き入れてもらった。準備をしよう、と食べ終えた後の食器類の片付けをしていたら急にスイッチが入ってしまって勝手にコンロ周りも掃除する。ダスターをボロにしてしまった。

洗濯機に昨日の自分の洋服を入れて回してもらっていたので、彼の洋服を着て出かけることになる。以前より往々にしてオーバーオール、オーバーオールと口にする彼は、オーバーオールフェチなのかもしれない。ノーブラだから(ブラも洗濯してしまった)、という都合も相まってカーキのオーバーオールを借りる。ぶかぶかだけど欲しかったアーミーパンツみたいで可愛い。

14時頃彼の家を出る。先にコインランドリーで洗濯物を乾燥機にかけて、健康食品店へ。このご時世にも関わらず試食が充実していて、2人して沢山試食して気に入った物を次々にカゴへ入れる。会社で食べる用のココナッツのお菓子と小魚アーモンド、無添加のシャンプーとリンス、Wさんに渡す用の製菓材を購入した。彼もおやつやおつまみ、自分がフムス!フムス!と煩いのでひよこ豆等食品を主に買っていた。1人暮らしを始めたら、ここで食品を買い揃えられたらいいなと思う。海の精というお塩が知らない味のものまで何種もあって驚いたし、国産の質の良い食用油も何種も並んでいた。それに有機栽培の人参ジュースやザクロジュース...とにかく自分にとって食料品店はテーマパークに等しい。高校生~大学生時代、健康食品オタクだった頃を思い出した。息を吹き返す食欲。お店を出たのは17時頃になってしまった。

彼の家のダスターなどを買いに無印良品へ寄る。せっかくだからとカルディにも寄って、ミックスナッツやクラフトコーラ、ミロのチョコを買ったらお会計が千円ぴったりで嬉しくなった。2人ともお腹が空いてきて唐揚げが食べたい!となっていたけれど色々と迷った末、マクドナルドでサムライマックのセットを2人で1つ買って帰ることにする。新、と頭に付いていて、食べたかったので良かった。

帰宅道中、母に夕食を訊くと唐揚げ、と返ってきて、通じた!と場が湧いた。

19時前、彼の家に帰宅。部屋に入ってすぐに食べよ!という自分に手を洗ってから、という彼。2人で然程大きくもないバーガーを半分に切って食べる。客観視スイッチが急にオンになってしまって、大の大人が半分こしてるの可愛いなぁおい、というと彼は1つずつ食べたかった?と笑った。昨夜の砂肝の残りも出して食べる。彼がカルディで買ったA&Wは激不味すぎて最悪だった。高校生の頃訪れた時も思ったけれど、米国の方の味覚は本当に分からない。

食後、そのままリビングのソファでセックスをする。『ドライブ・マイ・カー』の音と高槻の其れのシーンが脳裏に浮かんだ。自分は物語ったりはしないけれど、泣きそうになり、場合によっては発作を起こして男性の声を聞く。腹上死とは男性に宛てる表現だけれど、自分もしかねないと思う。音のように急死しそうである。

駐車場に彼を送り、車に積もった雪を一緒に下ろして別れる。

21時頃帰宅。父に久しぶり、と言われた。母に勧められ、残された夕食をつまむ。お風呂に入って、帰り際話題に上った佐々琢哉のHPを彼に送り付ける。そのまま久しぶりに佐々琢哉の絵を見ていた。自分は昔から理想とか憧れといってもピンとくる人物は思い当たらないのだけれど、彼は最も其れに近いと感じる。

お風呂から上がり、歯磨きをして自室へ行く。ティンシャやシンギングボウル音を聴きながら横になっていると、身体が痙攣を起こし始める。寝落ちしてしまった。